駄菓子屋じいちゃんエビス

第35話 駄菓子屋のおもちゃの課題

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日葵と一緒に三人で駄菓子屋の配置について考えていたが限られたスペースにお菓子ないし商品が
子どもたちにまた大人から見てにも過不足なく充実させているように工夫したいがなかなかいい考えが思い浮かばない。
さらに在庫をダンボールのまま店内に置いてしまうと見た目も損なってしまう。
子どもたちの憩いの場として再構築された駄菓子屋エビスであったがお菓子の品揃えと拡充については課題が残る。
その時日葵が何かをよいアイデア思いつく。
日葵の意見に理貴は理解するがまだエビスじいちゃんわからないみたいである。
日葵のアイデアとはなんなのか、今後の駄菓子屋エビスにどのような影響を及ぼすのだろうか。


日葵は前日のやり取りから着想を得て話したがそれを理貴はさらに言語化しエビスじいちゃんにわかりやすいように伝えた。
理貴「お品書きを作ってみないか?親父」
エビスじいちゃん「お品書き?」
理貴「日葵ちゃんが言いたいのはそういうことだよね?」
日葵「はい…」
思ったことを口にしただけでお品書きまでのことはおそらく日葵は考えていなかったようだが
理貴が閃いたアイデアに委ねてみることにした。
紙とペンを出して理貴は例として「チョコレート100円」、「ポテトチップス120円」と箇条書きにしてそれを二人に見せた。
日葵「レストランでよく見掛けるあれですか?」
理貴「そうそれ!」
レストランでよく見掛けていると日葵は言っているが
お品書きはレストラン以外にも商品の値段や説明などを一覧表として用いられることもある。
それを理貴は駄菓子屋エビスでも運用するということなのである。
理貴「これならわざわざ店内にお菓子を詰め込まなくてもいいんじゃないか?」
エビスじいちゃん「あ〜なるほどのう〜!」
ようやくエビスじいちゃんも理解したようである。
冷蔵ショーケースは注文中で現在店内には飲み物が展示されていないが
前日の桜林小学校の生徒の日葵たちと丹下先生との意見交換でエビスじいちゃんは飲み物を売ることを告げて
その飲み物は実家の冷蔵庫に冷やしており、要望があった場合に1缶で50円で提供することにしていた。
飲み物が売っているとエビスじいちゃん自身が告知したからこそ、
あの時、日葵たちは飲み物に関心があったため売ることができたのである。
冷蔵ショーケースの代わりに家の冷蔵庫で冷やして保存していたが
配置については冷蔵ショーケースを入手するまでは考慮していなかった。
店内にお菓子ないし商品を陳列させて充実感を出していくのも大事であるが
スペースには限りがあるため必要最低限に収めておくのも大事である。
エビスじいちゃん「つまり店内に収まりきれないお菓子は家に置いておくってことじゃな」
エビスじいちゃん「んでお品書きに何が売ってあるのかを教えるってことじゃな」
理貴「うん」
店内に置けないお菓子は一旦家の方で保管し、その店内に置けなかったお菓子をお品書きに載せるのである。
こうすることで無理に店内にお菓子を陳列させなくてもよい。
将来問屋を介した大量のお菓子も店内だけでなく家に置いて在庫として扱うこともできる。
理貴「でも結局さ、この商品は売ってますか?とかこの商品探しているんですけどありますか?とか」
理貴「お客さんから話しかけてくるじゃん」
理貴「あといくら商品をたくさん並べたってお客さんの欲しいのが売ってなかったら意味ないからね」
エビスじいちゃん「それもそうじゃな〜」
買い物客ないし消費者は欲しい商品や目当ての商品があるか探して、
もし商品が見つからないまたは展示されていなければ
他の店舗に行って探すだろうが、まずは店員に聞いて欲しい商品が店内に売っているのか確認することもあるはずだ。
まさに翔吉たちが飲み物は売っていないかと言ってきたのが良い例だ。
客の要望に当てはまる商品が店内にあるのかないのか陳列棚を確認しつつ
店内で扱っている商品なのか在庫にあるのかなどを調べて対応していくのが一般的である。
エビスじいちゃんも理貴も「オリーブ」で小売業の仕事で上記のような接客または業務経験を何度もしてきている。
客の要望に沿った商品が見つかることもあれば、見つからず結局取り扱っていない商品で要望に添えなかったことだってあった。
前者のように欲しい商品が見つかればそれに越したことはないが
充実した商品の陳列や情報量の多さや品数の豊富さがかえって目をくらませ欲しい商品を見落としてしまうのである。
屁理屈にもなるがお菓子の陳列にこだわらなくてもよいのが理貴の主張であり
限られたスペースをいかに有効に扱えるかの課題の糸口にも繋がる。
理貴「今はこんな感じで字だけだけど、写真とか載せてそれっぽいチラシみたいなのにしようかな」
エビスじいちゃん「それはいいのう、理貴任せるぞい」
理貴が考えたお品書きの案が採用されることになった。
実際に商品をカメラで撮るなりネットの画像をダウンロードするなりそれをお品書きのレイアウトに落とし込むなど
いろいろ理貴の頭の中でイメージがある程度固まりつつあるらしくきっと魅力的なものになるはずだ。
理貴「ありがとね!日葵ちゃん!グットアイデアだったよ!」
日葵「はい、お役に立てて良かったです!」
日葵の意見を形にしたのは理貴であるだが、日葵が閃きを与えてくれたおかげでまた1つ課題が解決できそうだ。
前日の意見交換を通じ、そして星川家に居候したことで日葵はその発想が思い付いたのだろう。
灯台もと暗しとも言うべきか、答えは身近にあり店内の後ろに帰るべき住まいである星川家の実家があるのだ。
少なくとも在庫を置くための活用することができるので心強い味方になってくれる。
品揃えのこだわりは「オリーブ」で働いてきた二人だから、そのような考えになってしまうのが自然なことである。
エビスじいちゃんと理貴の凝り固まった固定概念を柔らかくしてくれた日葵はとても大きな功績と言えるだろう。
星川家と一つ屋根の下で時を過ごした日葵だからこそ思いついたものなのである。
商品ないしお菓子の陳列についてはひとまず解決となった。



日葵は駄菓子屋エビスのチラシをまた新たな課題を引き出した。
課題解決に貢献できたのが嬉しかったのか表情が明るくなんだが調子がいいみたいである。
日葵「チラシには店内に置いてあるおもちゃが自由に遊べるって書いてあるけど次はおもちゃだね」
理貴「あ~おもちゃか~」
チラシに書いてある通り、今度はおもちゃである。
詳しくは会員のみとなるが店内に置いてあるおもちゃを自由に使って遊ぶことができるようにして
お菓子やお茶会だけでなくおもちゃを通じた遊びや企画を考えて楽しむ憩いの場を目指す方針なのである。
エビスじいちゃん「おもちゃは一個もないの~」
エビスじいちゃん「理貴が昔使ってたのはないかのう?」
理貴「もうとっくの昔にねえな…あっても壊れているだろうし…」
理貴が子どもの頃が遊んでいたおもちゃはないかもしれない。
見つかっても壊れているだろうし、理貴本人がお気に入りや思い出の品を使わせるのは個人的にも抵抗がありそうだ。
おもちゃは1から集めるしかない。
しかしおもちゃはお菓子よりも値段が高いため仕入れのハードルが高い。
またお菓子の配置は決まったがおもちゃの扱い方によっては白紙に戻ってしまう可能性もある。
エビスじいちゃん「どうするかのう~」
理貴「けどやめるわけにもいかないよな…」
チラシの内容にも店内のおもちゃを使って遊べると書いてある。
チラシは既に完成しそれを丹下先生が全校集会や学校の掲示板などに大々的に宣伝するため後戻りはできない。
会員になることが前提ではあるがおもちゃで遊ぶことが目的で来店する子どもいるはずだ。
理貴「日葵ちゃんどうしよう、おもちゃが1個もないんだ…」
日葵「あ…そうなんですか」
眉をハの字にして悲しそうな表情で日葵に助けを仰ごうとする理貴。
そしてエビスじいちゃんも助けを求めているような視線を日葵に送っている。
子どもの日葵なら流行りのおもちゃや人気のおもちゃなど知っているかもしれない
日葵「う~ん」
日葵は目を瞑って腕を組んだ。
日葵「ぬいぐるみとかじゃ…ダメですかね?」
エビスじいちゃん「ぬいぐるみか…う~ん」
理貴「悪いけど、ちょっと微妙かな~」
ぬいぐるみで遊ぼうと思えばできるしおもちゃとして使うこともできなくはないが
アクセサリーとか部屋の模様替えなどの役割に適している方だ。
女の子はかわいいぬいぐるみを好む傾向があり日葵も例外なくである。
ぬいぐるみも視野に入れておくが男の子受けはしないと思われる。
そう考えると男の子と女の子ではそれぞれ好みが分かれるためそういった配慮もしないといけないだろう。
資金的にも満遍なく買うことは難しいし、おもちゃも流行り廃りもあるから集めたが損してしまうリスクもある。
理貴「2階に何か置いてないかな?」
エビスじいちゃん「探してみるか」
日葵「私も手伝います。」
三人は店内の2階に上がっておもちゃがないか探した。
妻の恵美須の仏壇が見守っているが2階は思い出の品と共に物置部屋として使われている。
星川家におもちゃが1個もないはずがないのできっとこの2階の物置に眠っていると信じたい。
探すと出てくるのは少しひびが入った骨董品ばかりだ。
埃もかぶっているがまだ使えそうなところが断捨離に踏み込めない理由にもなっているのだろう。
きっとこの骨董品の中には妻の恵美須が使用した物があるならそう簡単に手放すこともできない。
日葵「テーブル見つけたよ!」
理貴「あ!それは!」
日葵はテーブルを見つけたようだがこのテーブルは長年の使用があるものの二人にとっては記憶に新しい。
日葵「あ…でもこれ…」
これを店内で使えないかと日葵は思ったが状態を見てこれを使用することはできないと察した。
しかし壊れた部分を補強していたのかガムテープが貼られている。
リビングに置かれている現行のテーブルからバトンタッチされたものかもしれないが
このガムテープも古くはなく、埃もあまりかぶっていないため最近使用されたのではないかと日葵は気付く。
二人の反応を見るにおそらく使おうと思ったのだろう。
理貴「あ~ごめんまだ捨ててなかったな~」
エビスじいちゃん「いろいろやるべきことがあったからのう~」
理貴「実験用に置いてみて店内のイメージとか頭に思い浮かべやすくするようにしてみたんだ」
エビスじいちゃん「見た目もそうじゃが万が一この上のテーブルに乗って怪我したら大変じゃからな」
エビスじいちゃんと理貴の話から最近使われた形跡があったことを知った。
殺風景のような店内に少しでも装飾を入れたかっただろうし、お茶会のルーツもこのテーブルに詰まっていそうだ。
思い出に浸るのもいいがそんなことよりも使えそうなおもちゃを探さなければいけない。
奥まであさってやっとエビスじいちゃんが使えそうなおもちゃを見つけた。
エビスじいちゃん「けん玉を見つけたぞい!」
見つけたのはけん玉でエビスじいちゃんは早速遊んでみた。
エビスじいちゃん「それ!それ!あ~うまくいかないのう…昔はうまくできたのにのう…」
けん玉は、丸くとがった木製の剣先と下の皿と左右の2つの皿の上に玉を乗せる遊びで昔からの日本の伝統的な遊びなのである。
初心に帰りけん玉で遊ぶエビスじいちゃんだったがなかなか玉が皿の上に乗らずに苦戦する。
理貴「次は俺だ、貸して親父」
今度は理貴がけん玉に挑戦する。
だが皿の上に玉を乗せた試しがない。
理貴「あ~だめだ全然乗らない…」
エビスじいちゃん「もっと根気強くやらんとな」
案の定理貴もけん玉は得意ではなかったようだ。
エビスじいちゃん「どうじゃ日葵ちゃんもやらんか?」
日葵「はい!やってみます!」
日葵もけん玉に挑戦した。
日葵「う~ん難しいね」
なかなか皿に玉が乗っからずバスケットボールのゴールネットのように玉が弾んでしまう。
バスケットボールはゴールネットの中心に入ればそれでいいが
けん玉は皿らの中心に入っても玉が弾んではじかれ落下してしまうので力加減も重要になるため
バスケットボールより難易度が高いと感じる。
エビスじいちゃん「はあ~昔はできたのになあ~」
けん玉に苦戦する日葵を見て、エビスじいちゃんは昔できていたのに思うようにできない自分に溜息をついた。
これでは日葵にけん玉の上達できるアドバイスを言える立場ではない。
何度もやって体で覚える性分なので言葉で説明するのは難しい。
けん玉が上手にできた頃のようになるには練習が必要だ。
日葵「けん玉あまりやったことがなくて…」
理貴「そうだよね~最近の子供は特にそうかも…」
これは理貴が思っていることであるが最近の子どもはけん玉の存在自体は知っていてもあまりけん玉で遊ばないという認識である。
ゲームやそれに付随したものやデジタルと融合したおもちゃのほうがきっと好みだ。
しかしけん玉は日本の伝統的な文化があり大会も開かれることもあるため誇れるものがある。
廃れないように未来の子どもたちに受け継いでもらえるように
駄菓子屋エビスがけん玉を扱い担い手を育む使命を背負うのもまた一興だ。
理貴「けん玉を扱うならそれなりに上手くならなきゃな、親父」
エビスじいちゃん「うむ!また練習すればできるようになるかのう!」
玉が皿に乗らなくて嫌になるだろうしきっと現代の子どもには気に入ってもらえない懸念もあるが
せめてこの駄菓子屋エビスを通じてけん玉の奥深さだけでも成果にしたい。
1つもないよりかはましなので、まずは店内のおもちゃにけん玉置くことにした。
理貴「けん玉大会とか開くと盛り上がるんじゃない?」
エビスじいちゃん「それありじゃな!」
店内の企画でけん玉を開催して景品にお菓子を贈呈するのも面白そうだ。
けん玉は性別問わず誰でも気軽に遊べるしテクニックやコツを掴んで上達すればもっと面白くなる。
駄菓子屋エビスでけん玉名人が誕生する日を待ちわびる。




理貴「日葵ちゃんはぬいぐるみの他に何が好きなの?」
日葵「私はやっぱりゲームが好きかな」
日葵は口から正直にゲームが好きであると答えた。
予算的には厳しいと思い言わないと決めていたが可能性に賭けて店内でゲームができればと思い言ってみた次第だ。
また翔吉たちにどんなおもちゃが好きかと問われれば
きっと彼らは真っ先にゲームが好きだと言うのは絶対だ。
大体、翔吉たちが学校の休み時間で話すのはゲームのことばかりなのである。
飲み物を売るきっかけにもなったのは翔吉たちだから
ゲームが駄菓子屋店内で遊べる日が来てしまうなら言ってみるのありだと日葵は思ったからだ。
日葵の言葉からゲームが好きと言ったのは少し驚きだが二人は受け入れることにした。
エビスじいちゃん「翔吉たちもゲーム好きじゃろうな」
エビスじいちゃん「理貴も子どもの頃はゲームばかりじゃった」
理貴「おもしろいもんな~ゲーム」
ゲームばかりしていたと父から言われてしまったが理貴は否定せずゲームは面白いと肯定した。
ほとんどの子どもはゲームが好きで間違いない。
店内にゲームを置くのは魅力的な選択肢にもなりある意味で子どもの憩いの場として機能しそうだ。
理貴「携帯機よりもテレビに繋いでみんなで遊べるのがいいかもね」
エビスじいちゃん「ふ~ん」
日葵「はい!きっと翔吉たちもみんなも喜びますよ!」
店内でゲームができることを心待ちする日葵は今日一番のテンションだ。
ゲームには関心がないエビスじいちゃんだが日葵の喜ぶ姿を見て口元は緩くニッコリしていた。
今でも人気だがゲームが盛んな時代に生きてきた理貴はもの凄く関心がありより詳しい。
テレビゲームを導入すればそれ見当てで来店する子どもが増え会員も増える見込みがある。
理貴「けどゲーム置くのはまだ早いかな」
エビスじいちゃん「金もかかるしのう」
ゲーム機本体やソフト、そしてテレビモニターなど必要なものがいくつもあり
初期費用、そして店内の間取りも見直さないといけない。
今月はテーブルとこたつ、冷蔵ショーケースとお金をかけているのでゲームはまだ先の未来になりそうだ。
支援してくれている丹下先生や学校側の面目を考えればゲームはひとまず様子見としておきたい。
一旦ゲームは視野に入れておくことだけに留めるとした。
日葵「みんなで遊べるトランプとかすごろくとかあるといいかも」
理貴「それいいな!」
日葵の提案はとても良くみんなで遊べるボードゲームが好ましい。
理貴「家にトランプとかあったっけ?」
エビスじいちゃん「探してみればあるんでねえか?」
理貴「そもそも家でトランプで遊んだことあったかな?」
エビスじいちゃん「うぬ~思い出せんのう~」
星川家はトランプで遊んだ記憶がなさそうで家にトランプがあるのかわからない。
見つかってもおそらく使用感があるはずだ。
探すよりも新しく買うのが手っ取り早い。
理貴はスマホでおもちゃが売っている店を検索して星川家から約10km離れたところの店がヒットした。
営業時間は午後23時までなので今から行っても十分見て回れる。
理貴「日葵ちゃんもいるし折角だからおもちゃ買いに行かない?」
理貴はスマホで検索でヒットした店舗におもちゃに買いに行く提案をした。
日葵「パラレルモンキーだ!」
理貴が見つけた店は「パラレルモンキー」という店で日葵も知っているそうだ。
エビスじいちゃん「賛成じゃ!行ってみるか!」
展開はまさにディスカウントスーパーの「ヤスモリ」と似ているが
「パラレルモンキー」できっと子どもたちが楽しめるおもちゃが見つかるはずだ。
続く
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